柏原由佳Yuka Kashihara
Seeing in the Dark
沖縄での生活のなか、貝拾いが日常になった。
拾った貝を眺めていると、その模様が山水画のように果てしなく外まで広がって見えた。
人気のないジャングルを歩き回ると、キラキラ浮遊する葉っぱたちは宇宙に浮いてる星のようだった。
海の中で見た珊瑚の連なりは、ラオスで登山した時に目にした雄大な山岳風景と重なった。
貝は空
葉っぱは宇宙の星
海は山
目を瞑って、目を凝らす
雄大な自然の中でミクロとマクロを行ったり来たりする。
手のひらを見つめると、景色が広がる。
陰の中で、沢山の出来事を思い返す。
今まで見えなかったものたちが、突然見えて繋がる。
原始の記憶と私の内側の景色と片側だけの世界
それらすべてが繋がった時に、反対側に光が差して、新しい世界が開く
与那覇岳、大石林山、美ら海水族館、斎場御嶽、六田原登山道、安座間ビーチやみーばるビーチ、辺土名海岸など様々な場所でスケッチをし、
さまざまな記憶をたよりに、南城美術館で3ヶ月滞在して制作した、227cmx364cmの大型絵画作品2、3点、小作品などを展示します。
展示会場
大宜味村立旧塩屋小学校 沖縄県国頭郡大宜味村塩屋538
ARTIST
柏原由佳 Yuka Kashihara
1980年広島県生まれ。2006年武蔵野美術大学造形学部日本画学科卒業し、渡独。
2012年VOCA展に出展、佳作賞と大原美術館賞を受賞。同年ポーラ美術振興財団在外研修員としてドイツにて研修。
2013年ライプツィヒ視覚芸術アカデミー卒業し、2015年同アカデミーマイスターシューラーを取得。
2013~2017年武蔵野美術大学造形学部日本画学科非常勤講師。2022年より拠点をドイツから日本へ移し、制作活動を行う。
主な個展に「最初の島 再後の山」(大原美術館、岡山、2016年)、「1:1」(ポーラ ミュージアム アネックス、2021年)、
「Yuka Kashihara」(アクアベラギャラリー、パームビーチ、アメリカ、2022 年)、
「Pile of Signs – しるし、徴」(小山登美夫ギャラリー 前橋、2024年)など。