うしおUsio
海の向こう
《うず巻き、流れてつながる線》は、うしおが昨今取り組んでいる「人々の渡海を巡るストーリー」の最新作に位置づけられる。
指先に細く浮かび上がる線の集積である指紋は、スマホの認証機能にも使われているように、個人を識別し、特定することができる。
国外への移動に必要なパスポートにも、かつては指紋が記されていたことがある。
(現在でも、入国手続きで指紋の審査が行われる場合がある。)
人の移動にまつわる幾つもの歴史は、それぞれが個別の物語を伴っている。
海(時に空)を介して行われる、絶え間ない人の「流れ」と移動の「波」がもたらすもの――
それは、送出と受入の社会である。
あなたは、生まれ育った土地から海の向こうの別の土地に移り住んだ経験があるだろうか。
展示会場
大宜味村立旧塩屋小学校 沖縄県国頭郡大宜味村塩屋538
ARTIST
photo:日岐百合子
うしお usio
山形県出身、沖縄県在住。
2003年、筑波大学大学院芸術研究科デザイン専攻修了。さまざまな題材や手法を用いて、「思い通りにならない状況」を可視化する。近年は、近現代の人々の渡海を巡るストーリーを追い、作品化に取り組んでいる。
<主な個展>
「メディウムとディメンション:Maze」
(ガスボン メタボリズム、山梨、2024)
「手洗いチャンプルー??」
(GALLERY9.5 NAHA、沖縄、2022)
https://usiotokojp.info/
【Guest Curator】町田恵美 Megumi Machida
那覇市生まれ、同地在住。沖縄を拠点に県内外の展覧会企画や執筆活動を行う。
やんばるアートフェスティバル2021-2022にて「ある場面/ある場所」(辺土名商店街)、やんばるアートフェスティバル2022-2023にて「ある場所」(辺土名商店街会場)「ある人物」(大宜味村立旧塩屋小学校)を企画。