ARTIST / アーティスト

ART PROGRAM /アートプログラム部門

永井英男 Hideo Nagai

永井英男

I messed up

沖縄の象徴的な樹木であり、オクマビーチホテルの創業時に移植されたガジュマルの木がアメリカ西海岸の様なコテージが並ぶホテルに存在しています。
初めてこのホテルを訪れた時、アメリカ西海岸とやんばるの風景が入り混じった様な感覚があったのですが、後にVoice of America(極東アメリカ軍放送基地)跡地に建てられたホテルである事実を知りました。
1978年ホテル開業の年にアメコミヒーローの象徴でもあるスーパーマンの第1作目の映画がアメリカで公開されました。
当時、アメコミヒーローをはじめ、アメリカのドラマやアニメが日本のテレビでよく放送していたので好んで見ていたこともあり、時代の記憶と現在が交錯し時空を飛び越えて来た架空のスーパーヒーローが、空からパトロール中、オクマビーチに着地しようとしたが失敗し、ガジュマルの木に引っかかり困り果てているというユーモラスな彫刻を制作します。
架空のスーパーヒーローは人間のダミーとして人命の危険や事故から守るため、過酷な実験(任務)にも何故かとぼけた表情のcrash test dummyとして活躍していますが、アメコミスーパーヒーローの様な身体を持ちながらも悲哀や切なさを感じさせます。

PROFILE / プロフィール

永井英男

永井英男 Hideo Nagai

PROFILE

見えない力の抵抗、自身のアイデンティティから対象の存在をデフォルメした大型の彫刻作品「BABA PROJECT」(2001 年)や「B-PROJECT へそで投げろ」(2011 年)など、圧倒的な存在感で見る人の心を開くユーモアのある作品を発表。 以降、自作した150本の松葉杖を燻煙し人間の体内で分泌される脳内モルヒネをテーマにしたインスタレーション作品「Endorphin」(2016 年)や時間と同時性、記憶/記録を表現した絵画作品「刻 21106」(2020 年)などを展開。 主な展覧会にCAFE in Mito 2004/水戸芸術館現代美術ギャラリー、Osaka Canvas Project2010/大阪府咲洲庁舎、京都国際映画祭2016/京都市市役所前広場 など個展、グループ展多数。 キリンアートアワード2002 奨励賞受賞。

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