Henning Wagenbrethヘニング・ヴァーゲンブレト
マズーカの日曜日
日曜日は静かだ。街は空っぽで、通りにはほとんど人がいない。工場は停止し、誰も働かず、学校も休みだ。風もなく、旗は旗竿に垂れ下がっている。
家々から静かな音が聞こえてくる。あちこちで音楽が流れ、台所で皿がぶつかる音や、誰かが玉ねぎを刻む音がする。どこかで何人かがトランプをしているかもしれない。
誰かが本を読んでいるかもしれない。時折、車が通り過ぎ、水平線を船が横切る。
街は社会の鏡だ。私たちは自分たちの生活に必要な空間をどのように作るのか?
どのように生産し、食べ、眠るのか?どのように愛し、学び、働き、くつろぐのか?どこで、どうやって他者と出会うのか?
街に何が必要で、どこに何を建てるのか、それを決めるのは誰か?経済的・政治的な力を持つ者が決めるのか?
他の人々の声は届き、関わることができているのか?
街にはどんな思想や精神が反映されているのか?街は私たちが日々作り上げる彫刻であり、絶えず変化している。
インスタレーション作品『マズーカの日曜日』は、日曜日のために静止した街を訪れる体験を提供する。
この静止した状態は、日常の忙しさでぼやけてしまう細部を静かに観察することを可能にする。
展示会場
大宜味村立旧塩屋小学校 沖縄県国頭郡大宜味村塩屋538
ARTIST
Henning Wagenbreth ヘニング・ヴァーゲンブレト
多才なアーティストでベルリンを拠点に活動している。
グラフィックデザインを学び、イラストレーターやグラフィックデザイナーとして、独自のミクストメディア作品を制作している。
印刷工程への深い理解を持ち、自らフォントをデザインすることも多い。
本や新聞、ポスター、郵便切手のデザインを中心に、アート、音楽、アニメーション映画、演劇など幅広い分野で活動している。
1994年からはベルリン芸術大学でイラストレーション学科の教授を務めている。